解雇なのに、なぜ退職届にハンコ押すんだ?

「解雇」といったらそれでオシマイ

私が不当解雇だと主張すると会社側弁護士は現実に解雇していないじゃないかと団交で反論していたよね。結果が手続まで正当化できるとでも思っているからお笑いである。すなわち、解雇は単独行為であり、意思表示到達後は原則として撤回できず、労働者が具体的事情の下、自由な判断によって同意した場合に限り撤回しうる。

「解雇」を5回も連呼

と、まあ、いきなり小難しいこと書いてしまったけれど、もっとわかるようにあのときのことを思い出しながら具体的に説明したい。あのときとは、そう、昨年6月1日に解雇と言い渡されたあのときのことだ。あのときは解雇・解雇と、数えたら5回も連呼していた。みんな、だから解雇だと思った。そうおもうわなあ。

その2日後に、本社のN取締役が来て、退職勧奨の合意書(以下、退職届とする)のサインを個別に会ってみんなから取っていった。1人平均5分(注1)。説明もあったものやない。半日で約70名近くの従業員を、まるでベルトコンベアーの部品を扱うがごとくさばいていったわけだ。あのク〇野郎。

HMIホテルN取締役の強調する「誠実に説明した」の所要時間

(注1)「古賀乃井」従業員の個別面談が始まったのが13時すぎから。当初は午前からだと説明されていたのに。したがって、「大のや」従業員の個別面談も当初は14時からだったものが、15時をすぎ、16時に近かったという証言もある。終わったのは20時近かった。つまりはこういうことである。13時から20時までの7時間で70人の個別面談をこなしたわけである。

7×60=420、420÷70=6。1人に要した時間はたった6分だぜ。「古賀乃井」から「大のや」への移動時間(20分)や、個別面談時の休憩を考慮していないが、それを加えると、平均5分はだいたいあっている。これが、HMIホテルグループN取締役の「誠実に説明した」の具体的所要時間である。

それにしても、従業員を退職させるのに、しょっぱなから遅刻かよ。我々はどれだけ待たされたとおもう。2時間だぜ。謝罪すらなかった。従業員のことなどなんとも思っていないやなあ。

【訂正】2022年9月1日

「古賀の井」の個別面談が開始されたのは午前中からだったことが判明した。これはぼくが勘違いしていた。いずれ書き改めたい。

退職届は無効やな

時系列でもう一回整理してみると、最初に解雇を言い渡した。解雇は従業員の同意を要しない一方的通告で効力が発生するから、その時点で解雇が成立する。だから、後で退職届にサインしても効力は生じないはずだった。つまり、あくまで、100%の解雇であって、その効力はそのままつづき、あとで退職届にサインしたからといって退職に同意したことにはならない。これが冒頭で言っていることの意味である。

裁判所は「紙」が大好き

しかし、口頭で解雇と言っておいて、「じゃ、これに書いて」と言われて、退職届にサインをしたら、残るのは、紙としての退職届だけです。そして、裁判所は紙が大好きなので、紙を信じます。それでうちらの負けとなる。裁判所ってそういうところなんですよ。 自分から退職をすることと、会社に解雇されることとでは、法的な争いやすさが月とスッポンほど違う。自分で退職するという意思を文書で示してしまったら、それを覆すのは容易ではありません。 それでふつうは「万事休す」や。

録音が、会社の思惑を阻止した

文書で退職に合意してしまうと、以上の流れが「ふつう」なのだけれど、その最初のときの解雇発言の録音をとっていた奴がいたわけだ。おれのことやけどね。ここは自画自賛するべきだよ。たいしたものだ。それで、「ふつう」の流れ通りにいかなくなった。 録音があるから「残るのは、紙としての退職届だけ」でなくなったわけだ。 会社の思惑通りにいかんようになった。というところまでは理解してほしい。裁判所というところが紙で書いてあるものが大好きなことも。

だからこそ、会社は争われるリスクを避けるために、解雇なのに退職届にサインをさせ、ハンコを押させようとする。とにかく解雇は解雇なので、本来であれば書面に同意のサインは不要だと覚えてください。

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