団体交渉は総力戦である

目的達成のためなら、戦車でも大砲でも使えるものなら何でも使え

以下は、1年近く前のツイートです。参考のために抜き出しました。

Aさん:名誉毀損で訴えてきてる前の会社が風営法違反をしていたので、きっちり書類を作って管轄の警察に届けました。警察は「風営法に抵触します」とのことでした。コロナ禍で警察が動くかどうかわかりませんが、認知させることはできたと思います。

私:ブラック企業相手に闘うときは、ときにこういうことも必要ですね。相手の痛いところ、弱点をつかないで、正面突破を試みているだけでは勝てないこともあります。冒険論でもよく言われることですが、目的達成のためなら、使えるものならなんでも使えと。それこそ、戦車でも大砲でもあるものは何でも使え。南極探検をやった西堀栄三郎さんやったか、ちがったかな。

Aさん:弁護士から「それは寝技なのでオススメはしない」と言われましたがね。

私:もちろん、節度は必要です。あっちのレベルに合わせてこちらまで同レベルに落とすのはよくない。勝つという目的のためならどんな手段に訴えてもよいにはなりません。目的がどれほど正しくても、手段がそうでないなら、選択すべきではないとおもいます。

が、この程度のことならかまわないとおもいます。

団体交渉は総力戦である

ここ1年半ほどの団交の経験からの進め方についての持論です。団交が裁判と決定的に違うところは、ここでは法律論に終始しないことです。団交は示談の一種なので、それ以外の力関係も反映されます。 そこにはマスコミの力やネット戦略、街宣活動などの広報による世論の換気、誠実に交渉しろという倫理の訴え、そして団結の力等が作用する。いわば総力戦です。

お行儀がよすぎる労組関係者

元保険調査員と言えばまだ聞こえはいいが、実質示談屋みたいなことをやっていた私からみると、労組関係者は正攻法にこだわりすぎるようにおもいます。それがときに、長期化の原因になっていたり、勝てるものも勝てないところに追い込んでいるようにもみえる。要は、お行儀がよすぎるんですよね。

ブラック企業相手なら「水に落ちた犬を打つべし」。そこに正攻法なんてありません。相手は正攻法でなく、どんな搦め手でも使ってくる。未払い賃金があること・その額についても合意しておきながら、支払わないのはその一例です。支払う側の強みで、たとえ違法であっても事実上の力関係で押し切ろうとする。私たち労働者はこういう兵糧攻めに弱い。だから、こちらも遠慮はいりません。

敵の手の内を知り、「悪のグラマー」を心得るべき

会社側には、経営法曹では著名かつやり手として知られている弁護士がついています。本も何冊も出されている。敵の手の内知りたさに読み始め、3冊読了したのですが、氏なりの「合理」精神をそこに感じました。経営側弁護士がどういう戦略を練っているのかがよ~くわかります。

中野好夫のいう「聡明な悪人」というやつですね。こういう人たちの「「悪」のグラマー」を心得ていないと、交渉は難しいのではないかと思いました。

経営側弁護士の本など読むに値しないと思われているかもしれません(私はそう思っていました)が、団交ではたいへん参考になります。会社側の思惑が手に取るようにわかるかと。本格的専門書とちがって、2日ほどで読めます。敵は専門中の専門、「やわ」な相手じゃないのだから。


由来ぼくの最も嫌いなものは、善意と純情との二つにつきる。

考えてみると、およそ世の中に、善意の善人ほど始末に困るものはないのである。ぼく自身の記憶からいっても、ぼくは善意、純情の善人から、思わぬ迷惑をかけられた苦い経験は数限りなくあるが、聡明な悪人から苦杯を嘗めさせられた覚えは、かえってほとんどないからである。悪人というものは、ぼくにとっては案外始末のよい、付き合い易い人間なのだ。という意味は、悪人というのは概して聡明な人間に決まっているし、それに悪というもの自体に、なるほど現象的には無限の変化を示しているかもしらぬが、本質的には自らにして基本的グラマーとでもいうべきものがあるからである。悪は決して無法ではない。そこでまずぼくの方で、彼らの悪のグラマーを一応心得てさえいれば、決して彼らの無軌道に、下手な剣術使いのような手では打ってこない。むしろ多くの場合、彼らは彼らのグラマーが相手によっても心得られていると気づけば、その相手に対しては仕掛けをしないのが常のようである。

それにひきかえ、善意、純情の犯す悪ほど困ったものはない。第一に退屈である。さらに最もいけないのは、彼らはただその動機が善意であるというだけの理由で、一切の責任は解除されるものとでも考えているらしい。(中野好夫「悪人礼賛」より)

>むしろ多くの場合、彼らは彼らのグラマーが相手によっても心得られていると気づけば、その相手に対しては仕掛けをしないのが常のようである。

「仕掛け」をさせられたり、それにうまくだまされるうちは「格下」に見られているので、これはダメです。「仕掛け」を見破り、乗せられないこと。彼らから一目置かせることです。そのためには、彼らの「グラマー」を心得る必要があります。相手の「研究」は欠かせませんね。うちのようなちっちゃい組合ならなおさらそうです。

ベトナムは大国アメリカにどうして勝てたのか

あの大国・アメリカにベトナムがどうして勝てたのかについては諸説ありますが、いちばん大きいのがベトナム側に圧倒的な大義があったこと、これですね。ただ、それだけでは勝てない。世界でナンバーワンの軍事力を誇る米軍にたいして正攻法で応戦しても、どうみても勝ち目がない。

ベトナムの戦略的にすごいことはそこでゲリラ戦で臨んだことです。私たちもそれに学ぼうではありませんか。正攻法でやっていても勝ち目がないとおもったら、ときにゲリラ戦だって必要です。

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